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職人の技あり日本(社長コラム)

鋸のお話

2009/06/12

私の本業は鋸です。
全てを手作りし、精巧な剪定鋸を作っています。
いくら書いても思いは尽きないほどに深いのです。

トンテンカンとする鍛冶屋の槌の音は、師匠の前に向槌が二人居り、交互に叩くことでする音です。
弟子の息の乱れに、師匠が槌で金床の端をトンと打つと、それが止めの合図でした。
どっと流れる汗をシャツの袖で拭き、師匠は手早く4枚の打ち伸ばした鋼を、両端の2枚は中に、中の2枚は外に、金箸と金槌で形を揃え、真っ赤な炭の中に入れます。
弟子は、900度あまりの温度になり、鋼が真っ赤に焼けるまで小休止をします。

5分くらいで汗を飛ばしての火作りは、今の青年には耐えられないと思います。
13歳の少年には荷が重いでしょう。
これが奉公なのだ、と思うのですが、無性に「家に帰りたい、母の元に戻りたい」と思うと、涙が止まらず、人に見られないように泣いた事もありました。

鋼を900度ほどに赤めて打った次は、薄くなっていくにしたがって850度と、低い温度に変えていきます。
材質のよい鋼ほど、焼入・焼戻しには注意が必要なのです。


3年ほどで、一寸3.3㎝、32本の導突鋸の鋸刃を、ヤスリ一本で作れるようになりました。
薄く削った生材の鋼に目盛りをあて、4㎝ほどの小さなヤスリで印をつけ、一寸に8本の刻みをいれます。
万力(鋸を挟む道具)を返して、8本の刻みの裏側からまた刻みを入れます。
ヤスリで削るので、小さい刃でも大小が出来ます。
更に裏返して、極細の刃の裏から刻みを入れ、小さい刃には余り力をいれないようにして、ヤスリで鋸刃を形成していきます。
大変根気の要る仕事です。
一心不乱に没頭して出来る、目立ての技術です。
何も無いところにヤスリ一本で3.3㎝の場所に32本の刃を作り、それが本物の9寸導突となって、指物師に行くまでに焼入削りのセン掛・弦掛と工程をこなし、終わりとなります。
しかし使う段階で、紙一枚の薄さでもよく切れ、つっかえず、曲がらずに切れてこその導突鋸なのです。


今から20年ほど前でしょうか。
「製鋼会社より聞いてきた」と、東京より二人ほど映画関係の方が私のところにいらっしゃったことがありました。
お話をお聞きしますと、映画「おしん」を撮った方だと仰られました。
日本たばこ産業がスポンサーとなり、「謎学の旅」という番組にて「手作りで鋸を作って欲しい」と懇願されたのです。
私は二つ返事で引き受けました。
三条の鋸業界が、日本中に紹介されるのです。
しかし、トンテンカンと向う槌を打つ鍛冶場が私にはありませんでした。
そのことをお話しすると、「刀鍛冶の鍛冶場を借りましょう」と軽くおっしゃいます。
お話では、この撮影にとても期待されているようでした。

とりあえず、私独りでは何も出来ませんので、道具集めから始めようと色々な業界の方々にお願い致しました。
しかしテレビというものに抵抗を覚えたのか、誰一人として協力して頂ける方は居ませんでした。
私も残念でしたが、相手方に事情をお話し、お断り致しました。

私が協力をお願いした会社は、三条の産業としてあれほど隆盛を誇っていたのに、今では数社となってしまい、時代の流れとは言え、無惨な結果です。
職人とはいかに腕が良くても、お客様が手放す事が出来ない道具にならなければこのようなことになるのだと、実感しています。

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